川崎市環境技術産学公民連携公募型共同研究事業
平成23年度川崎市環境技術産学公民連携 公募型共同研究事業
研究テーマ:「炭素繊維による閉鎖性水域の水質浄化工法の研究」
炭素繊維による閉鎖性水域の水質浄化工法の研究
都市部における人口集中や河川・湖沼の近代化整備に伴い、水域の閉鎖度は加速的に高まり、それと同時に水質汚濁の問題が全国で深刻化しています。 それらの水域では、水の循環が行われず、ヘドロの堆積やアオコの発生など人間の健康や生活環境、水生生物に大きな影響を与えています。 川崎市とJWGは、環境への負荷を軽減した新たな閉鎖性水域の水質浄化工法の実用化へ向けた開発研究を目的とし、平成21年より、閉鎖性水域の水質浄化技術の継続的な研究開発を行っています。
本研究成果は、実証地である川崎市をはじめとした都市部の池や湖沼の水質浄化、そして世界の水問題解決に大きな貢献をします。
等々力緑地釣り池実証地 |
研究概要
閉鎖性水域の水質浄化技術開発のため、平成21年度研究では、炭素繊維水質浄化材の大きな表面積に汚濁物質が大量に吸着することによる水質浄化効果と、炭素繊維水質浄化装置の耐候性を確認することができました。
平成22年度研究では、炭素繊維水質浄化材に循環・曝気装置を加えた複合水質浄化装置を設置し、微生物の固着活性化を促進させることにより水質浄化効果を確認しました。
本年度は、さらに劣悪な水質汚濁の対策として、「炭素繊維+循環・曝気」に加え、物理化学的手法(陽イオン)やバイオ技術(微生物)を利用し、より効果的な水質浄化技術を開発・検証していきます。
■炭素繊維水質浄化装置概要
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炭素繊維水質浄化装置設置イメージ
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- 炭素繊維水質浄化材: MiraCarbon ロープ吊り下げセット設置(I-S2-10、I-2S2-10)
- 循環曝気装置: 水中ポンプを利用した散水装置により、水域内の循環と酸素供給を行います。
- 微生物活性化: 生物親和性の高い炭素繊維に、微生物を固着させ活性化します。
- 陽イオン供給: 炭素繊維と金属との電気陰性度差により、金属(陽)イオンを水中に溶出させます。
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「炭素繊維+循環・曝気」
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「炭素繊維+鉄」
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■実施場所
等々力緑地釣り池
■研究期間 平成23年7月〜平成24年3月迄
■検証項目
- 炭素繊維水質浄化装置の有効性、耐候性の確認
- 水質浄化効果測定
- 状況観察
過去の研究
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