中国雲南省最大の湖”滇池”水質浄化プロジェクト始動！

雲南省昆明市　

　昆明市は、中国雲南省の省都であり、総人口約608万人、面積約2万1501㎢、雲貴高原中部の海抜1,891ｍに位置します。年間平均気温が14.5℃と温暖なことから、四季を通じて春のようなので「春城」、一年中花が絶えないので「花都」とも呼ばれています。
　また、中国の名高い歴史文化都市の一つで、東南アジアに向けての有数の国際貿易都市、観光都市でもあります。三方を山に囲まれ、南は大湖である滇池に面しています。
　日本では、マラソンの高橋尚子選手や野口みずき選手が高地トレーニングを行った場所としても知られています。



　　　　　　　　　　　雲南省昆明市
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滇池(Dianchi Lake)　～雲南省最大の湖、中国３大汚染湖に～

	滇池は、雲南省最大の湖で、長江水系に属す中国第六の人造淡水湖です。昆明市の南西に位置し、周囲を山に囲まれています。 　 　 総面積 　 297.9 k㎡ 　　 （琵琶湖の約半分の大きさ） 　　　湖面海抜　1,886 m 　　　最大深度 8.0 m 　 　 (平均深度は5.5m) 　湖に注ぐ河川は計24本あり、湖水は北の出口から螳螂川を通って普渡河に入り、最後に長江上流に注ぎ込みます。
滇池の衛星写真

　また、歴史文化を持つ湖であり、周りに大観樓、盤龍寺、寨山滇王墓など多くの名所旧跡があります。かつては、周囲の山紫水明を足して、「高原明珠」（高原の真珠）と称えられていました。
　しかし1970年代以来、昆明など周辺都市の工業の発展と耕地の開発により、滇池の水は汚染されてきました。特に富栄養化が深刻で大量のアオコが成長し、用水上の問題をもたらしています。
　近年、太湖、巣湖と並び「中国３大汚染湖」の一つに数えられ、中国の国家的重要課題として水質汚染問題の解決が叫ばれています。

　　　　　　　　　　　　　　　　

滇池北部のようす	大観河の河口付近

　　　　　　　　　　　　　　　　

アオコや汚濁物	アオコ回収船

　ＪＷＧでは、「中国３大汚染湖」である滇池が高原の真珠のような美しさを取り戻せるよう、水質浄化活動に取り組んでいきます。　

　　

昆明市を訪問

　昆明市当局からの要請により、２００９年４月中旬に昆明市を訪れました。
　昆明市滇池管理局において、滇池の浄化に取り組む担当技術者に、技術説明を行いました。
炭素繊維による水質浄化には大変興味を持たれ、すぐに実証する話となり、説明会後には実証予定場所の大観河、市内の河川、滇池湖岸まで案内していただきました。
　雲南省環境保護局では、局長以下雲南省内の９湖の水質浄化に取り組む担当者、政府系企業である下水道会社担当者に技術説明を行い、技術協力要請を受けました。

	市内には、こんなキレイな川もあります。（水処理後）
昆明市滇池管理局	市内を流れるキレイな川

　民族村を見学しました。　

　　　　　　　　　　　　　　　　

タイ族の正月行事「水かけ祭り」	水鉄砲で水をかけ合う人も！

　　　　　　　　　　　　　　　　

イ族のおねえさんが民族衣装で豪快に料理	華麗な民族舞踊を披露するナシ族

	民族村の脇を流れる川は、
お祭りでは闘鶏のイベントも	ドス黒く濁り、悪臭を放つ

大観河（炭素繊維実証予定地）　

　大観河は、昆明市内を流れる重要な景観河川の一つであり、草海（滇池北部の領域）に注ぐ主要河川の一つです。川幅は16～30m、全長3.7kmで滇池に注ぐ河口には大観公園が整備されています。大観河は、処理水を水源としているものの、沿岸の排水システムの不備と汚染処理の不徹底、および雨水と汚水管のほとんどが合流式であるため、汚水が無秩序に大観河に放流され、草海に流れ込み、最終的に滇池へと注がれています。

　　　　　　　　　　　　　　　　

実証予定箇所	大観河の河川状況

水中に赤い帯が	筋状に伸びる赤い影
↑淡水赤潮が発生している

　■ 2008年の大観河の水質状況をみると...
　　日本では、めったに見られない淡水赤潮が発生するほど富栄養化が進んでいます。
　汚水指標は、中国で最も悪い劣５類
　ＣＯＤが60.33mg/lと高い数値であり、重度汚染の状況です。

”ＪＷＧでは、昆明市滇池管理局と滇池水質浄化プロジェクトの第一歩として大観河炭素繊維実証に向け協議中です。”