ジャパン・ウォーター・ガード


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●21世紀の環境保全と豊かな水辺を取り戻すために●
地球の水を守ろう!!
地球温暖化対策
プロジェクト概要
地球温暖化とは
地球温暖化対策
活動方針
温室効果ガス緩和策
二酸化炭素吸収
一酸化二窒素発生抑制

    

地球温暖化対策

活動方針

 地球温暖化対策は、温暖化を抑制する「緩和」(mitigation)と、温暖化への「適応」(adaptation)の2つに大別できます。人為的温室効果ガス排出による温暖化対策は、緩和策を行い、起こってしまった事象に対しては適応策を行います。
 地球温暖化を緩和するとは、その原因物質である温室効果ガスの発生を抑制し、大気中の温室効果ガス濃度を削減することです。しかし、現在も、様々な自主的努力や政策による緩和対策が行われていますが、温暖化を抑制するには全く足りず、温室効果ガスの排出量は増え続けています。
 IPCC第4次評価報告書では、今後20~30年間の緩和努力が大きな影響力を持ち、気候変動に対する早期かつ強力な対策から得られる利益は、その対策費用を遙かに上回ると予測し、現状よりも大規模かつ早急な対策の必要性が指摘しています。つまり、早急に対策をしない場合の損失は、取り返しのつかないほど莫大となります。

 日本などの先進国においては、現在でも温暖化対策として様々な取り組みが行われ、一定の成果が得られています。しかし、地球温暖化問題が表面化して長期化していることや、近年の世界的景気低迷により経済成長が優先され、温暖化対策は形骸化しています。政府によるエネルギー政策や、産業界による省エネやエネルギー効率化への見直しも進められていますが、どれも経済活動優先のため、本質的な対策ではありません。原子力発電のリスク回避のため、再生可能エネルギーに注目が集まり、太陽光発電が家庭用から大規模施設まで行われていますが、高額電気料買い取り制度によるもので、温室効果ガス抑制の意識は低くなっています。市民生活においても、環境意識や再生エネルギーへの関心が高まりエコ製品等の利用は拡大していますが、産業界から提供される便利で豊かな生活を手放すことはできず、温室効果ガス削減には至っていません。
 地球温暖化対策における温室効果ガス削減は、大気中の温室効果ガス濃度を適正値まで削減することと、健全な市民生活を営むための経済成長を両立させる持続可能な対策でなければなりません。そのためには、国際的枠組みや国家レベルでの強力な施策が強く求められますが、最も大切なことは市民の一人一人が目先の便利さや豊かさを求めない合理的な価値観を持ち行動することです。


温室効果ガス緩和策

 温室効果ガスの発生を抑制し、大気中の濃度を下げるには、温室効果ガスの性質を知る必要があります。温室効果ガスの大部分を占める二酸化炭素は、化石燃料の燃焼により発生するため、その発生源であるエネルギー(発電、熱、動力)、産業、運輸、家庭等の各部門において消費量を減じる対策が必要であり、さらに省エネルギー、炭素固定など、広い分野にわたる技術面および政策面での対策により、社会全体で温室効果ガスの排出を減少させる、低炭素社会を構築していくことが基本です。これらの取り組みは、国際的枠組みにより、現在でも政策や企業や家庭の自主的努力にて行われており、さらなる強化が期待されます。
 私たちJWGでは、地球が本来持っている物質循環機能を再生し、さらにその機能を強化・補完する水辺でできる温暖化防止対策を実行します。

 海洋など大きな水域では、水面より二酸化炭素が溶け込み、海藻類などに吸収されることにより、炭素を固定化して酸素を排出することができ地球温暖化適応対策となります。 しかし、水中に亜硝酸NO2-Nや硝酸NO3-N等が蓄積され富栄養化現象となると、二酸化炭素の約300倍の温室効果がある一酸化二窒素N2Oが発生してしまう危険性があります。そして、一般的な活性汚泥法による生物処理が行われている排水処理設備では、廃水に含まれるアンモニア態窒素NH4-Nが、亜硝酸NO2-Nや硝酸NO3-Nに変化して蓄積され一酸化二窒素が発生しています。この富栄養化した水域や排水処理設備からの一酸化二窒素排出を抑制することが、水辺で行うことのできる地球温暖化緩和対策となります。


二酸化炭素吸収

 二酸化炭素は、地球上を物質循環して、酸素の供給や植物生長にも必要不可欠な気体です。そのため二酸化炭素の緩和策は、発生抑制だけでなく酸素との循環機能を高めるために、樹木や植物の吸収による削減が重要です。地球は、かつて森林にて覆われ、東南アジア、中南米、中央アフリカなどの大規模な熱帯雨林にて、二酸化炭素を吸収し酸素を供給していました。しかし、産業革命以後の経済発展、人口増による都市開発や農地開拓、森林伐採により森林は荒廃し、二酸化炭素吸収と酸素供給の機能は低減しています。近年、再生のため植林等の取り組みが行われていますが、大規模開発により森林面積は減少し、新興国においては深刻な大気汚染のため太陽光が遮光され、従来地球の持っていた二酸化炭素吸収能力に戻すことは不可能とされています。


・海洋での二酸化炭素吸収

 人為的に増加した二酸化炭素は、海域にて海水に溶け込みます。しかし、二酸化炭素は、海水を酸性化させ、生物の殻や骨格になっている炭酸カルシウム生成を強く妨害するので、海の生物に悪影響を与えます。そのため、さらに浅水域にある植物プランクトンや海藻及び海草類への吸収が必要です。太陽光の届く浅水域に存在するそれら光合成植物は、光合成により二酸化炭素を吸収して、炭素を固定して酸素を排出することができます。

 海は、地球表面積の70%を占めるため、この広大な海水面から溶け込む二酸化炭素量も大きく、海の持つ炭素循環機能は期待できます。しかし、植物プランクトンや海藻及び海草は、太陽光線の届く海のごく浅い部分に生育しているため、光合成による基礎生産は海洋の僅かな部分でしか行われません。この水深50mより浅い海(干潟・磯・浜)の面積は、海洋総面積のごく僅か0.6%でしかありません。 海の基礎生産のほとんどが、この僅かな浅い海で行われていることは、この浅い海の環境が悪化すれば、海の基礎生産量を大きく減少させることになります。



★海の森再生事業

 近年、沿岸部の海域が、内陸部での都市化や農地開拓が進み、河川源流部ではダムが建設され、下流域では護岸など河川改修が行われたことにより、大地のミネラルは海まで流れ出づらくなりました。さらに、ミネラル供給源の森林は、無計画な森林伐採や林業の衰退により、手入れが行き届かず荒廃しています。森林の育むミネラル鉄分が、海に供給されなくなり海藻類は繁殖できず、光合成機能も低下しています。
 このような現状から、海藻及び海草類による“海の森”を再生し、さらに増やしていくことが、海の持つ物質循環機能を高めて地球温暖化対策となります。海の森の再生は、生息する魚類などの住み処となる藻場となるため、海の生態系の保全となり漁獲高向上へもつながります。

藻場再生プロジェクト

 炭素繊維は、ほとんど炭素で作られた物質で生物親和性が高く、表面積が大きいため海藻類の胞子が着床しやすく、離れづらい特性があります。そのため、炭素繊維により作られたミラカーボンコンブを海中に設置すれば、海水中にある胞子体が好んで着床し、種苗として成長します。海中に胞子体が少ない、あるいは無ければ、ミラコンブに海藻の種糸を取り付けて設置することにより発芽させます。ミラコンブを種苗として海藻類は、発芽し成長して、海の森が造成されます。
 また、ミラカーボンの生物親和性により魚類は好んで産卵をするため、ミラコンブの森は、稚魚の育成の場となり藻場が形成されます。貝類なども好むことから牡蠣やホヤなどの種苗となり、産卵が促進され成長も早く大きく育ち、漁獲高向上へと繋がります。炭素繊維と鉄を組み合わせて設置すれば、電気陰性度の違いによりミネラル成分の鉄イオンが溶出し、更に海藻類は成育し、併せて魚介類などに好影響を与えて海の生産性が向上します。

ミラカーボン+C


一酸化二窒素(N2O)発生抑制

 一酸化二窒素は、二酸化炭素の約300倍と温暖化効果が高いため、発生抑制することが重要です。しかし、一酸化二窒素は、アンモニア態窒素NH4→亜硝酸NO2・硝酸NO3→窒素N2という窒素循環の過程にて発生するため、その効率的な対策技術が確立されていません。窒素循環は、好気・嫌気条件と、硝酸菌・脱窒菌の存在によるため、一酸化二窒素発生の有無と程度が把握しづらく、その対策方法も一様ではないのです。一酸化二窒素の人為的発生源としては、窒素肥料を用いる農地や、排水中にアンモニア態窒素を含む排水処理設備があげられています。
 公共下水処理設備や畜産排水処理設備などにおける有機物処理は、活性汚泥法により行われるのが一般的で、活性汚泥処理槽にて曝気され有機物は分解されます。排水中に含まれるアンモニア態窒素は、曝気により活性化する硝化細菌により亜硝酸NO2から硝酸NO3となります。この亜硝酸NO2と硝酸NO3が曝気槽内への蓄積により、一酸化二窒素N2Oが発生します。生物的窒素処理工程を有する排水処理設備では、この後工程において嫌気槽を設けることにより、硝酸NO3から窒素N2へと分解を図り窒素を除去しますが、曝気槽では一酸化二窒素N2Oが発生しています。さらに、曝気槽から発生する余剰汚泥からも一酸化二窒素N2Oが発生し、汚泥が嫌気状態となるとメタンCH4も発生します。

 一酸化二窒素N2O発生メカニズムは、河川や湖沼においても同様に行われています。河川や湖沼に流入したアンモニア態窒素は、水中の酸素にて硝化されて、亜硝酸NO2・硝酸NO3として蓄積されます。また、農業廃水や生活排水中には硝酸NO3が存在するため、水域に硝酸NO3が蓄積され一酸化二窒素が発生します。さらに水底部が嫌気状態となるとメタンCH4が発生します。
 一酸化二窒素の発生を抑制するためには、水中に亜硝酸NO2や硝酸NO3の蓄積をさせないことです。硝酸NO3から窒素に分解するには、生物的窒素処理と同じに、嫌気状態において脱窒菌の働きが必要です。活性汚泥処理槽において、嫌気状態を創り出し脱窒菌を活性化させれば、アンモニア態窒素NH4→亜硝酸NO2・硝酸NO3→窒素N2という反応が速やかに行われ、一酸化二窒素の発生が抑制されます。



★炭素繊維による一酸化二窒素発生抑制

 炭素繊維水質浄化材は、炭素繊維の大きな表面積に付着する微生物の働きにより、有機物や窒素・リンなどの栄養塩類を分解除去します。炭素繊維を水中に入れるとフワッと広がり炭素繊維塊ができ、表面には好気条件にて硝化細菌が、内部には嫌気条件となり脱窒菌が付着します。そのため、アンモニア態窒素は表面の硝化細菌にて硝化され硝酸になり、内部の脱窒菌により硝酸から窒素と水に分解され、窒素は大気中に拡散します。炭素繊維生物膜内に、好気条件の硝化菌と、嫌気条件の脱窒菌が存在することにより、窒素分解反応が速やかに行われることにより、温室効果ガスである一酸化二窒素の発生が抑制されます。
 同様に、河川や湖沼の水質浄化に、炭素繊維水質浄化材を用いることにより、水中のアンモニア態窒素や硝酸などの窒素除去が速やかに行われ、高い窒素除去効果を得られると共に、温室効果ガスである一酸化二窒素の発生が抑制されます。




出典)本Webサイトの図表は、環境省、GIO国立環境研究所温室効果ガスインベントリオフィスおよびJCCCA全国地球温暖化防止活動推進センターの公表データをもとに作成しています.。

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