ジャパン・ウォーター・ガード


ジャパン・ウォーター・ガード
   トップイメージ   
   
●21世紀の環境保全と豊かな水辺を取り戻すために●
地球の水を守ろう!!

  聖なる川として世界的に知られているガンジス川は、深刻な水問題に直面しています。このインドの象徴でもあるガンジス川の水質浄化作戦を進めることで、インド全域に水の大切さを伝え、水を汚さず、水をキレイにする活動を実行します。


■インドの水事情
 インドの都市部では人口増加にともない一日に約4,000万㎥以上の汚水が排出されて大きな社会問題となっています。人口増加と都市化の過程で下水処理が間に合わず、未処理汚水がそのまま水源に流され、多くの人々が汚染された河川や地下水を水源として生活しています。その結果、水質汚染が人々に大きな健康被害を発生させ、安全で衛生的な生活を送ることができません。


 上水道は未整備で、水道水が1日に数時間程度しか供給されない地域も多くあり、それらの地域の家庭ではタンクに水を貯留して必要な時に利用しています。水道管の破損や老朽化により水質汚染され、貯留タンク自体が汚染されていることもあり、蛇口から出る水道水が安全で衛生的でないのです。


 地域によっては、水道管と下水管が併設されていて、両方の管の破損が原因で、下水が水道水に混入することさえ起きています。数年前に、首都・ニューデリーの水道局が各家庭の蛇口からの水道水を検査したところ約20%からバクテリアが検出され、汚染された水道水により、コレラや腸チフスに感染することもある不衛生な状況です。

■ガンジス川
 インド北部を流れるガンジス川の全長は約2,500kmで、ヒマラヤに源流を持ち、多くの支流と広い流域面積を持っている大河です。インド人の多数を占めるヒンドゥー教徒にとって「聖なる川」という位置付けにあり、天界を流れていた川が、人々の祈りによって地上を流れるようになり、巨大であることから地上を壊さないようシヴァ神が受け止めているという言い伝えがあります。 近年、都市人口が増加したことで汚染が深刻となっています。



●インドに住む人々の沐浴場
 ヒンドゥー教徒は、ガンジス川の水が全ての罪を洗い流すと信じているため、この川で沐浴(:からだを水で洗い潔めること)を行います。ガンジス川にはガートと言う大きな階段があり、その階段を使ってガンジス川に身を委ね、男性は腰に布を巻いて、女性はサリーを着用したまま沐浴するのが一般的です。


 また、ガンジス川の水は「決して腐らない」と信じられていて、ガンジス川の水をお土産に汲んで持ち帰る人がいるほどです。そのため、ガンジス川から離れた場所に住むヒンドゥー教徒にガンジス川の水を渡すとたいへん喜ぶと言われています。
 しかし、現実のガンジス川の水は、濁り、悪臭を発し、水質指標も高く、決して清らかな水ではありません。


■水質汚染の進行
 近年の経済発展と人口増加により、ガンジス川の水質汚染が大きな問題となっています。2007年世界で最も汚染された川ワースト5位に入り、水質汚染は人間への健康被害に重大な影響を与えています。汚染されたガンジス川の水を直接飲むことが尊いとされる風習があることから健康への深刻な影響を与えています。
 ガンジス川固有の絶滅危惧種に指定されているガンジスカワイルカの減少が危惧され、インド政府や世界自然保護基金が保護に向けて力を入れています。


■汚染の原因
●生活・工業排水
 インドの下水処理率は10%と非常に低く、生活排水が水の汚染の大きな要因となっています。都市河川の汚染原因の70~80%は生活排水によるものと考えられ、インドの地表水の70%が汚染されています。
 また、インドでは工業排水を管理する規制や対策が遅れており、多くの工場からの廃水が河川に垂れ流しになっています。そのため、インドにある14の主要河川と流域、そして地下水は全て汚染されていると言われています。
 ガンジス川はインドの人口の40%に水を供給する大切な役割がありますが、ガンジス川の水の8割は汚染されています。


●水葬
 ガンジス川はヒンドゥー教徒にとって聖なる川で、亡くなったら母なる川にかえすという考え方があります。本来、火葬した後に遺灰を川に撒きますが、子供や妊婦そして事故死の場合、火葬せずに遺体を流す場合もあり、2015年にはガンジス川に100体以上の遺体が発見されました。貧困を理由に火葬代を工面できず、焚き火で燃やした後に燃え残った遺体を流すこともあると言われています。


■汚染対策
●Narendra Modi's Mission To Clean Ganga
 インドのナレンドラ・モディ首相は、ガンジス川の浄化を約束しました。今までも、河川の浄化政策は行われてきましたが、汚職や管理不足などが原因で思うように成果が上がっていません。2014年7月に発表した国家予算案によると、ガンジスプロジェクトに203億7,000万ルピー(日本円で約353億円)の措置を行ったと報告されました。さらに、ガンジス川の浄化だけでなく、水の豊かな土地から、水が不足している土地に供給する、河川の連結政策も掲げています。


●JWG Clean Ganga Project
 ガンジス川はヒンドゥー教徒にとって聖なる川ですが、生活排水や工業廃水、水葬などにより、水質汚染が深刻な問題となっています。Clean Ganga Projectでは、モディ首相の推進するMission To Clean Gangaと連携して活動するとともに、インドの人々に正しい水の知識を啓蒙して、水の大切さ、水を汚さないこと、汚れてしまった水を再びキレイにすることを普及させていきます。再び、ガンジス川が清らかな聖なる川として再生されることを目指して活動を行います。


Copy right©JWG All rights reserved.