ジャパン・ウォーター・ガード |
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●21世紀の環境保全と豊かな水辺を取り戻すために● 地球の水を守ろう!! |
− 目次 − 1.水の基礎編 2.水の現状編 §1.世界の水危機 |
第2章 水の現状編
日本の年間降水量は約1,700mmで、世界の年間平均降水量が約970mmであるのに対し、それを越える日本は水に恵まれた多雨地域といえます。しかし、国土が狭く人口密度の高い日本は、人口一人あたりにしてみると、決して水に恵まれているとは言えません。
そして、日本の国土は3分の2が山地で河川が急峻であることや、雨の降る季節が偏っていることにより、降水量は多くても実際に私たちが利用できる水の量はそんなに多くないのです。そのことは、台風時には一時的な豪雨のために洪水になり、反対に降雨が少ない時は水不足により給水制限になることに現れています。一人当たりのダム貯水量にしてみるとアメリカの17分の1、韓国の16分の1に過ぎないのです。
地球の表面から蒸発した水は、地球の大気圏にしばらく滞留した後に、雨や雪となって再び地球に降り注ぎます。陸地では、水は集水され幾筋かの細い流れになり、地表面を洗い流し、様々な物質を溶かしながら、徐々に水量を増し、小川から大河になり、やがて海に注ぐようになります。また大地に浸透した水は、伏流水となったり、地下水となります。
水は雨や雪が岩石や地下の岩盤などに浸透して、伝わって流れていく間に岩などに含まれている鉱物を溶かし込んでいます。そして、一定の間滞留して涌き水となって噴き出してくるのです。その地下に滞留している間に、地中の鉱物が溶けて含まれるミネラル(カルシウムやマグシウム)の配分によって、軟水と硬水にわけられます。
この水の違いは料理にも影響して、硬水はミネラル分が多いため料理にはあまり向いていません。そのため西洋料理では、水でゆでたり煮たりするのではなく、蒸したり、油でいためたり、牛乳やワインを加えて煮たりする調理方法がとられます。軟水の日本では古くから水を使って煮物・汁物・ゆで物といった日本料理が多くあります。
環境庁は、全国の水環境や水資源を改めて見直して、水環境の保全を訴えるために「名水百選」を選定し、昭和60年から実施しています。その背景として、高度経済成長の真っ最中にあった日本は、農薬汚染、工場などからの排水汚染による環境汚染、地下水の化学物質汚染など日本の経済成長に合わせて、水環境は厳しくなるばかりでした。そのような状況の中で名水百選は水環境を改めて問い直したものだったのです。 環境省HP参照 水道は、本来水の乏しい地域に遠隔地から水を引き、安定した供給をするためのもので、安全でおいしい水の自然環境に恵まれていた日本では、水道化が本格的に進んだのは第二次大戦後のここ数十年のことです。
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