− 目次 −
1.水の基礎編
2.水の現状編
§1.世界の水危機
・水不足による健康被害
・温暖化で加速する
水資源の偏在
・地下水枯渇による
農業用水不足
・水不足と汚染による
生物多様性の低下
・水不足による地域紛争
・仮想水貿易
・将来の見通し
§2.世界の水事情
・中国
・日本
§3.水質問題
・水環境問題の原因と現状
・河川の水質問題
・湖沼での水質問題
・海域での水質問題
-赤潮
§4.環境破壊の原因と現状
・地球温暖化
・オゾン層の破壊
・森林破壊
・砂漠化
3.水環境対策編
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第2章 水の現状編
中国の水事情
中国は、いまだ経済成長を続け人口13億人を超えますが、一人あたりの水となると世界平均の4分の1の水しかありません。 予測によると、2030年までに中国の人口は16億人に膨れ上がり、一人当たりの年間の水資源は1760㎥まで下落し、国際的な水不足の指標とされる1700㎥まで接近すると警告しています。中国の大多数の都市が水不足となっており、人口100万人以上の都市で見ると、32の大都市のうち、30の大都市で水不足となり、首都「北京」が最も厳しくなっています。
北部の乾燥地帯では、水面からの蒸発や地下水の過剰採取により水不足は加速し、水の供給量の多い南部では、河川や湖沼が深刻な水質汚濁のために、利用できる清潔な水は不足してしまい、水の豊富な長江や珠江のデルタ地帯ですら水不足となっています。
このように中国の水危機は、世界の水危機の象徴であり、世界の工場とも台所ともいわれる中国の水危機は、もはや中国だけの問題でなく世界の安定と繁栄を脅かすこととなっています。なおさら、地理的にも、経済的にも大きな関わりを持つ日本への影響は、極めて大きく、この中国の水危機を解決することが、日本の課題ともいえます。
JWGでは、世界の水危機への対策として、まず隣国中国の汚染された環境水の水質浄化活動を開始します。
■中国の水事情のポイント
・中国の一人当たりの水資源は世界平均の4分の1である。
・都市の90%の地下水、河川、湖沼の水の75%が汚染されている。
・水質汚濁の広がりのため、毎日7億人が汚染された飲料水を飲んでいる。
・水が原因の病気により、驚異的な数の早死者が生まれている。
・政府は下水処理施設への投資による水質汚濁の軽減を計画している。
・北京市などが認定した飲料水が販売されているが、その飲料水を偽造して販売している
ことも多く、正規の飲料水を購入することが困難とされている。
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