

− 目次 −
1.水の基礎編
2.水の現状編
§1.世界の水危機
・水不足による健康被害
・温暖化で加速する
水資源の偏在
・地下水枯渇による
農業用水不足
・水不足と汚染による
生物多様性の低下
・水不足による地域紛争
・仮想水貿易
・将来の見通し
§2.世界の水事情
・中国
・日本
§3.水質問題
・水環境問題の原因と現状
・河川の水質問題
・湖沼での水質問題
・海域での水質問題
-赤潮
§4.環境破壊の原因と現状
・地球温暖化
・オゾン層の破壊
・森林破壊
・砂漠化
3.水環境対策編


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第2章 水の現状編
中国の水事情
中国は、名目上経済成長を続け人口13億人を超えているとされますが、一人当たりの水となると世界平均の4分の1の水しかありません。 中国共産党は、人口増による水不足、食糧不足を回避するため1979年頃より一人っ子政策を実施し、人口抑制を図りましたが、経済成長は加速し水需要は増すばかりで、根本的な水問題解決にはなりませんでした。その後、一人っ子政策は、急速な少子高齢化や労働力不足を招いたため、2015年には撤廃されました。
現在では、経済発展は鎮静化し実質衰退傾向となり、人口増加は止まり減少傾向となっていますが、水質汚染・水不足は改善されていません。
北部の乾燥地帯では、水面からの蒸発や地下水の過剰採取により水不足は加速し、水の供給量の多い南部では、河川や湖沼が深刻な水質汚濁のために、利用できる清潔な水は不足してしまい、水の豊富な長江や珠江のデルタ地帯ですら水不足となっています。
北部の水不足を解消するため、南部の長江水系の水を北部の黄河水系に送る「南水北調」といわれる大土木プロジェクトが行われていますが、莫大な工事費用と運転費用を要することもあり、水不足解消にいかほどの効果があるのか疑問視されています。また、元々汚染された長江の水を北部に送っても水質汚染は解決されません。
このように中国の水危機は、世界の水危機の象徴であり、一時は世界の工場とも台所ともいわれた中国の水危機は、中国だけの問題でなく世界の安定と繁栄を脅かす原因ともなっています。なおさら、地理的にも、経済的にも大きな関わりを持つ日本への影響は、極めて大きく、この中国の水危機を解決することは、たいへん大きな課題ともいえます。
JWGでは、世界の水危機への対策として、北京市に支部を設置し、中国の汚染された環境水の水質浄化活動を開始しました。
※現在では、中国国内の政治経済の変化により、現地での水質浄化活動は休止しています。
■中国の水事情のポイント
・中国の一人当たりの水資源は世界平均の4分の1である。
・都市の90%の地下水、河川、湖沼の水の75%が汚染されている。
・政府は下水処理施設への投資による水質汚濁の軽減を計画している。
・北京市などが認定した飲料水が販売されているが、その飲料水を偽造して販売している
ことも多く、正規の飲料水を購入することが困難とされている。
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