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赤壁古戦場 武漢市は、三国志の舞台として多くの史跡や遺跡が残る観光名所です。中国では、東漢時代の末期、魏、蜀漢、呉の3つの国に分かれ互いに対立していました。この時代が三国時代(180年頃-280年頃)と呼ばれ三国志はこの時代の歴史を述べた歴史書です。 赤壁古戦場は、テーマパークとなっていて駐車場の向こうには巨大な城門があり、その前には中国らしく広~い広場があります。その広場に観光客は数人しかおらず閑散としています。聞けば10月国慶節の休暇には混雑したが、それ以降は観光客は少なく、日本からの観光客も少ないようです。空いているのは幸いであり、ゆっくりと見ることができます。 広場から、いよいよ場内散策ルートに入っていきます。先ずは鐘鼓楼があり、その奥には財神殿があります。財神殿に奉られているのは関羽、張飛、孔明の三人で、主人公は商売の神様と知られる関羽です。関羽は武将としても有名ですが、義に厚いとされる事から財神、商売の神として中国を始め華僑により世界中の中華街に関帝廟として祭られています。
鐘鼓楼の前にドーンと構えるのが張飛を模したガンダムでしょうか?これはいらないだろうと思いますが、史実と空想の英雄を一緒にしてしまうところも中国です。
鐘鼓楼を後に石段を登り、順路を行くと諸葛亮が論戦をしたという舌戦堂があり、さらに進み階段を下ると大銀杏のある広場に出ます。広場には、後に蜀の軍師中郎将となる龐統が孫権・劉備軍から距離を置くため金鸞山中腹に居を構えていたという鳳雛庵があります。龐統は、赤壁の戦いの頃は孫権軍の顧問的な役割にあったが、孫権軍に属してはいなかったので、陣中ではなく鳳雛庵に待機したそうです。 長江沿岸の赤壁は、周囲には赤壁山、南屏山、金鸞山の3つの山が連なり、対岸から押し寄せる曹操軍に対峙し陣を張るのに適していたため、孫権軍が陣を構えました。赤壁の戦いにおける孫権・劉備軍の勝因は、いくつかありますが最大の勝因は「火攻め」を行ったことです。火攻めを成功させたのは赤壁から対岸の烏林へと追い風となる非日常の東南風が吹いたことで、諸葛亮が赤壁にある南屏山の拝風台はで東南の風が吹くよう祈ったそうですが、諸葛亮は天文学と地理に通じていて冬至の前に東南の風が吹く日があることは知っていようです。 赤壁モニュメントの前でポーズをとるのは呉(孫権)軍の武将周瑜。三国志では諸葛亮をはじめとした蜀(劉備)軍の武将たちが有名ですが、実際の孫権・劉備軍の主力は周瑜を総司令官とする呉軍です。 長坂橋で奮戦する張飛。劉備軍は長坂橋で曹操軍に敗北を喫すが、この戦いでは、趙雲が単騎で曹操軍に討ち入り劉備の長男である阿斗(後の劉禅)を救い出した後に、長坂橋で張飛が追撃してくる曹操軍を撃退しました。 諸葛亮が東南の風が吹くのを祈ったその南屏山の場所に拝風台という建物が建てられていて、劉備、関羽、張飛と諸葛孔明の劉備軍の英雄4人の彫像が祀られています。主力の孫権軍の武将が祀られていないのは、中国で最も読まれている小説『三国志演義』が、蜀を中心に書かれてるからです。 拝風台から南屏山を下ると、アオコで緑色に染まる池があり、正面には諸葛孔明が発達させた機械式弓を放ったという射箭台があります。船上には兵士を模したわら人形が並び、ここから弓を放ったようです。 長江を望む高台へと出ると、正面に長江を横目でにらむ周瑜の彫像があり、この場所が「赤壁の戦い」の主戦場です。展望台を長江川辺に下れば岸壁に「赤壁」の文字が赤く書かれ、正しくここが「赤壁」です。文字の直下まで水位の跡があることから、増水時にはこの文字が隠れてしまうほど水位が上がるのが解ります。 長江には、大型船が行き交い複層式自動車運搬船等や貨物船、沿岸には浚渫船があることから川砂を浚渫しています。 赤壁の高台段を下れば呉の水軍が陣を張ったという広場があり、見張り台や兵士の住居を模したのかテントが何張りかあります。騎馬兵の戦いや曲乗りを見せるための乗馬場を過ぎると、赤壁の時代の呉軍の砦が現れます。橋を渡り城壁沿いを進み城門を潜ると、赤壁塔と呼ばれる7階建ての物見塔があり、最上階から見る長江は雄大で、入り江に係留される戦闘船や乗馬場等園内を一望にできます。 古戦場の最後には、十重、二十重に防御線を作って城の中にまた防衛措置を作る小城郭、落とし穴、狼の牙のようにとがった扉など、難攻不落といわれた金城の陣があり、内部の兵站倉庫に位置するエリアは、テーマパーク観光客の土産物屋となっています。 実際の赤壁の戦いが、何処でどのように行われたのかは、定かではないが、古戦場テーマパークを観ることにより、当時を想像できます。もう一度、「三国志」を読み直そう!?そんな気にさせてくれる赤壁古戦場でした。 ■武漢東湖プロジェクトのページへ戻る |
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